擁壁には、さまざまな種類があります。
基本的には、石を積んだもの(大谷石・玉石・割石・レンガ・etc…)を石積み擁壁といい、現在では庭の中 等で あまり段差が無いところで 装飾的に用いられるかもしれませんが・・・
実は、この「石積み」…現在では 土圧を受ける「擁壁」としては、殆ど認められていないのが現状なのです。
ただ…日本の地形上から 高低差が多く占める国土を活用する上で、これらの段差にも建物を建てられるよう、石などと積んで出来た敷地を平らする事で、当時はこれを「土留め擁壁」として用いられました。
石積みでは… 強度の保証は出来ない
間知ブロックの強度は鉄筋と その間に詰め込まれるコンクリートで ブロック同士のつなぎ目の強度を補っていますが、基本的に石積み系統の土留め擁壁は、石を積み上げて その隙間に更に小石等々を詰め込み、表面上 積んだ石の間にセメントが入っていたとしても、それは 横・水平に働く圧力に耐えられるものではありません。
また 現在の優れた幾何学をもっても、この積まれた石の強度を確証出来る計算が出来ないのが現実です。
ps:構造的な解析・計算をするためには、断面上での摩擦抵抗や様々な係数を用いますが、
表面の粗さが均一でないモノ(積んである石)を計算することが出来ません。